電話しながらメモを取る、会議の議論を追いながら次の発言を考える——こういう「同時処理」を支えてるのがワーキングメモリ(作業記憶)。短期的に情報を保持しつつ操作する脳の機能で、知能テスト(IQ)との相関が高いことでも知られてる。でも年齢とともに衰えるのも事実で、30代後半から緩やかに低下が始まる。
ワーキングメモリの容量は意外と小さい
George Millerの「マジカルナンバー7±2」は有名だけど、最近の研究ではワーキングメモリの容量は4±1チャンクとする説が主流(Cowan, 2024年更新)。つまり同時に処理できる情報の塊は4つ前後。だからこそ、頭の中だけで考えるのには限界がある。メモを取る、ホワイトボードに書く、ツールを使う——外部記憶を活用して脳の負荷を下げることが仕事の効率に直結する。GTDの「すべてを脳の外に出す」という原則は、ワーキングメモリの科学的理解と完全に一致してる。
トレーニングで鍛えられるのか
結論から言うと「ある程度は鍛えられるが、劇的には伸びない」。N-back課題(一定数前の刺激を思い出すトレーニング)は脳科学の実験でよく使われるけど、効果の転移(トレーニング外の能力向上)については議論が続いてる。ただし、間接的に鍛える方法はある。有酸素運動(週3回、30分のウォーキング)でBDNF(脳由来神経栄養因子)が増加し、海馬の機能が向上することは東北大学の研究(2024年)で確認されてる。十分な睡眠(7〜8時間)もワーキングメモリの維持に不可欠。カリフォルニア大学の研究では、6時間以下の睡眠が5日続くとワーキングメモリのスコアが平均17%低下した。


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